いただける幸せ

瀬戸内に浮かぶアート島 直島(なおしま)で、新鮮なお魚を使ったオシャレなイタリアンのお料理をカジュアルに♪
レストラン 直島パスタREGALO (レガロ)より、ほっこり直島の美味しいつぶやきをお届けします。

スタッフのぽんちゃんには旅が好きな知り合いが多い。中でもアメリカ人のその人はアメリカの自分の家を引き払って、延々と世界を旅している。
世界の「食べること」に関して彼とチャットしていると、日本人の食に対する感覚って他とちょっと違うかな、と思うことがある。

旅好きのアメリカ人の彼がレポートしてくれる他の国の料理はもっと豪快。魚はBBQにしたり、ガーリックオイルで揚げたり、鍋に入れてごった煮にしたり。彼が言うには、他の国にいて、日本で食べた魚ほど美味しいと感じたことは無いとのこと。

日本料理は繊細で、素材の味わいを活かす料理が多い。日本料理は、素材の状態に気を使い、料理の過程では下ごしらえに気を使い、そのために惜しみなく手間もかける。ちなみに、REGALOはイタリアンだが、てつシェフはもと漁師、魚のさばきと下ごしらえは日本料理のそれである。

私が思うに、日本人の一つの精神性が素材を活かす料理を作り上げてきたんじゃないかと思う。
どういう精神性かというと、「食べ物をいただけることはありがたいことであり、その食べ物を大事にいただかなくてはならない」と思っていること。

日本人が食べる前に手を合わせて「いただきます」という理由は諸説あるが、食べ物に感謝する意味があると思う。日本人は、目の前のお皿に横たわっているお魚さんや、お米や野菜が今ここでいただけることに、感謝している。
つまり、日本人は、食べ物に敬意を払ってきたんじゃないかなぁと。

こちらはある日厨房にやってきたセトダイ。包丁を入れるのが申し訳ないくらい、くりくりお目目がなんとも愛らしいお魚でした。大事に大事にその命をいただきました。

REGALOのお客様は9割が外国のかたで、食べ残しをする文化の国のかたも時々いらっしゃる。お皿をからっぽにするのは品が無い、おなかいっぱいになれば残すのは当たり前、という感覚なんだろうなと。一方で、おなかがいっぱいで苦しくても「もったいない」と言って最後まで食べきろうとするのは、たいてい日本人のお客様。パスタいっぽん残さず、ソースも全部、お皿がぴっかぴかになるほどきれいに食べてくださる。

とはいえ、悲しい現実もある。日本での食品廃棄の量の多さ。食べ物を大切にする人たちの国でなぜそんなことが?

たぶん、それは企業や社会システムがうまく機能していないからじゃないかなぁと。
売り上げを増やすためにたくさん売りたい、たくさん仕入れて単価(コスト)を下げたい・・・企業は考える。お客様がたくさん買うようにしむけるんだ、買わないと損だといわんばかりにアピールすればいい。
そして消費者は自分たちが消費できないものまでなんとなく買ってしまう。買って帰った人たちは、モノがあふれる冷蔵庫の中、古くなって食べられなくなったものを見つけては、ため息つきながらゴミに出す。そして、食べ物は燃やされ、二酸化炭素を出しながら、灰になっていく。

私もかつて都会でそんな生活をしていたなぁ、、と遠い目になってしまった。
「消費=幸せ」ではない。食べ物を大事にいただき、無駄な消費をしない幸せが、ここ、直島にはある。

ブログは頻繁には更新していませんが、更新したら、インスタにてお知らせしますので、インスタもよろしければフォローしてくださいね♪

文責:ぽんちゃん

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